大判例

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高松高等裁判所 昭和30年(う)397号 判決

第一、同選挙につき、自己の当選を得る目的で、同月三日(1)高岡岩三郎の手を経て同内子町大字大瀬子三一八番地の選挙人宮田春雄方で同人に、投票を依頼する趣旨を含めて病気見舞金名義で一千円を供与し(2)右高岡岩三郎及び右宮田春雄の手を経て同町大字瀬子一九二番地坂本計夫方で同人に、前同様の趣旨を含めて見舞金名義で一千円を供与した。

第二、その開票結果の判明した翌日の二月六日内子町大字大瀬戊六七番地の被告人方で、いずれも同選挙の被告人の運動員大井溜、浅野与三郎、岡崎宗高、岡崎菊好、水口優、中岡鬼生、福見治吉郎、永井昇、中岡三之助、松本亀之助、大森兼太郎、山本竹三郎、若松清繁、亀岡勝馬、亀岡時晴、岡田高雄、石田龍吉、津田道太郎、上永藤男、徳岡亀五郎、藤岡秀好、曾我鷹善左衛門、松本正成に、同選挙につき世話になつたことに対するお礼の趣旨で、一人当り約百五十円の酒食の饗応をなした。右饗応を受けた者等は当選祝いの趣旨で祝儀(一人当り五百円又は酒一升)を被告人に贈つた。

事実を認めることができる。右饗応をした者即ち饗応主は被告人であり饗応を受けた者即ちお客は前示運動員等である。右お客達が祝儀を贈つたとしてもその主客は転倒するものではなく、饗応主の支出をお客の祝儀で償つて余りがあつたとしても同様である。この理は賄賂を収受した者がこれに対してこれに勝る金品を返礼として贈賄者に贈つたとしても収賄罪の成否に影響のないのと同様である。原判決には事実の誤認はない。

(裁判長判事 坂本徹章 判事 塩田宇三郎 判事 渡辺進)

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